柴田美里は、30年にわたり息子一家のために身を削って尽くしてきた。だが、その思いは少しも報われない。孫娘・優奈の帰国の日、食卓で投げつけられた「間抜け」というひと言が、美里の胸を深く刺した。ついに彼女は、家族から距離を置くことを選ぶ。やがて息子は、母が頭を下げて戻ってくるものだと信じて疑わない。――けれど彼はまだ知らない。柴田美里には、誰にも明かしていないもう一つの顔があることを。
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